2012年9月号 VOL.25 NO.292
・[特集] 東日本大震災に学ぶ―震災克服し、明日へ。
・[Photo Topics]第7回 日本構造デザイン賞 2012 日本構造家倶楽部主催
・[Topics]東京スカイツリー
・[Topics]Student Summer Seminar 2012
・[Topics]JSCA シンポジウム「構造デザイン その17」
・[Topics]ASDO 「朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故」
・[Strutect]田尾 玄秀さん
●特集:創刊25年「東日本大震災に学ぶ-震災克服し、明日へ。」版
『鉄構技術』創刊25年を記念し、「東日本大震災に学ぶ-震災克服し、明日へ。」を特集。鉄骨造建築による「まちづくり・建物復興」を基本テーマに、様々な視点から復興支援を取り上げる。地震そのものによる建物被害は少なかったものの、今後のまちづくり・建物復興のために、鉄構業界は東日本大震災から何を学び、今後に活かすのか。鉄骨構造の専門家10氏が「鉄骨造建築の課題と今後」の論点を整理。さらに「まちづくりと震災復興」で多様な提案を行う。
●特集1:東日本大震災に学ぶ-鉄骨造建築の課題と今後
―鉄骨構造の専門家10氏が課題と対策を整理―
鉄骨造建築の課題と今後=田中淳夫氏、東日本大震災について思うこと=小野徹郎氏、津波被害を受けた鉄骨造=大越俊男氏、鋼構造建物の耐震性能=緑川光氏、超高層複合住宅群を核とした復興計画の提案=稲田達夫氏、連動型地震に備えて=岩田衛氏、東日本大震災が本当に問いかけているもの=川口健一氏、今こそ強靭な鉄骨構造を=吹田啓一氏、創造的で効果的な対策に向けて=竹内徹氏、鉄骨構造文教施設の被害=五十子幸樹氏
●特集2:東日本大震災に学ぶ-まちづくりと震災復興
―鉄骨造建築による震災復興、「防災」と「減災」テーマに提案モデル―
「復興から考えるまちづくりと建築」は戸田建設、竹中工務店、大成建設がまちづくりを提案。「鉄骨造建築による震災復興」は日本鉄鋼連盟が防災拠点ビルや巨大地震・大津波に耐える安全・安心な建物、学校施設などを提案。被災建物の復旧・復興に貢献するコラム構造、層構造モジュール、システム建築、スチールハウス、コンテナハウスなど多様な鉄骨造建物を提案。津波避難ビルは構造規定解説や具体的な提案3例を紹介、「防災」「減災」の側面も取り上げる。
●特集:東日本大震災に学ぶ―震災克服し、明日へ。
・創刊25年に寄せて
―金箱 温春(日本建築構造技術者協会)/藤澤 一善(日本鉄鋼連盟)/高梨 晃一(日本鋼構造協会)/田中 淳夫(建築鉄骨構造技術支援協会)/川田 忠裕(鉄骨建設業協会)/米森 昭夫(全国鐵構工業協会)/逸見 俊一(CIW検査業協会)/坂井田 泰圭(東京構造設計事務所協会)―
・東日本大震災に学ぶ―鉄骨造建築の課題と今後
―田中 淳夫(宇都宮大学名誉教授)/小野 徹郎(椙山女学園大学教授(名古屋工業大学名誉教授))/大越 俊男(東京工芸大学客員教授)/緑川 光正(北海道大学教授)/稲田 達夫(福岡大学教授)/岩田 衛(神奈川大学教授)/川口 健一(東京大学教授)/吹田 啓一郎(京都大学教授)/竹内 徹(東京工業大学教授)/五十子 幸樹(東北大学准教授)―
・まちづくりと震災復興
―復興から考えるまちづくりと建築―
―――山本 嘉彦(戸田建設)/丹野 吉雄(竹中工務店)/小林 直明(大成建設)
―鉄骨造建築による震災復興―
―――編集部/原田 鎮朗(環境システム研究所),油川 真弘・関 光雄(竹中工務店)/市川 康(新日鉄エンジニアリング)/JFEシビル/川上 寛明(新日本製鐵)/齋藤 光広(構造計画研究所)
―「防災」と「減災」―
―――牧村 義隆(構造計画研究所)/前田建設工業/渡辺 征晃(大成建設)/日鐵住金建材/大西 雄一郎(構造計画研究所)/奥村 俊彦,奈良岡 浩二(清水建設)/神鋼鋼線工業/土橋 徹(森ビル)
―製品紹介―
―――川金テクノソリューション/川金コアテック/光陽精機/JFEシビル/構造計画研究所
・提言:鉄骨造建築の魅力/ファブリケーターへの提言(敬称略)
―松井 千秋/青木 博文/橋本 篤秀/増田 浩志/田中 剛/桑原 進/ 山田 哲/伊藤 優/小川 一郎/丹野 吉雄/丑場 英温/佐藤 芳久/塙 亨/土橋 徹/関 洋之/森高 英夫/高藤 勝己/森田 明/城戸 隆宏/徐 光/桝田 洋子/佐藤 淳/羽石 良一/形山 忠輝―
●Photo Topics
・第7回 日本構造デザイン賞 2012 日本構造家倶楽部主催
●Topics
・東京スカイツリー
―シリーズ第26弾 東京スカイツリー View―
―Good Point 「十間橋」から―
・Student Summer Seminar 2012
・JSCA シンポジウム「構造デザイン その17」
・ASDO 「朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故」
・A&A 第1回 A&Aイノベーション・セミナー
●Project
・全国の建設プロジェクト(早分かり&一覧表)
―ビル/商業施設/工場/学校ほか―
・全国の建設プロジェクト(パース編)
・「(仮称)成田富里徳洲会病院」来年1月に着手
●Strutec Data
・2012年5月の都道府県別建築着工面積/2012年6月の建築着工面積
・2012暦年上期(1-6月)の着工面積と鉄骨需要量
●Regular
・ヨーロッパの橋と建築を訪ねて―SEWC2011参加と空間構造デザインの視察報告―
―05 シュツットガルトにみる軽量構造と現代建築―
―――田畑 英樹/鈴木 実
・体験的な「溶接と強さ」の話
―その41 素材がよいことと強く組み上げること―石の割れを見つける非破壊検査と石の組合せやつなぐ技術――
―――豊田 政男
・建設関連産業の未来のための技術評論
―第26回 地方目線”あきた元気創造プラン”再論―
―――藤盛 紀明
・ひとりDEBATE Part.2
―連載⑨―難解だがいつも忘れてはならない アインシュタインの「時空」の概念―
―――渡辺 邦夫
・リレーエッセイ 建築と私 191 「耐震改修の構造屋として思うこと」
―――苫谷 修作
・随筆127 う:梅干し
―――深見 準一
・Strutect 田尾 玄秀さん
―オーク構造設計―
●表紙
東京工業大学グリーンヒルズ1号館(環境エネルギーイノベーション棟)
東京工業大学・大岡山キャンパスの一角に、世界にも類を見ない環境研究施設が今年4月に誕生した。東京工業大学グリーンヒルズ1号館(環境エネルギーイノベーション棟)は、棟内からのにCO2排出量を約60%削減し、計4,500枚に及ぶ太陽電池パネルなどからなるエネルギーシステムを採用、棟内で消費する電力をほぼ自給自足するなど、最先端の環境エネルギー技術の研究拠点の役割を担っている。建築規模は地上7階、地下2階、延床面積約9,554m2。東京工業大学・環境エネルギー機構が基本構想を行い、デザインアーキテクトは同大の塚本由晴研究室(意匠)、竹内徹研究室(構造)、伊原学研究室(環境・エネルギー)。同大施設運営部と日本設計が設計し、戸田建設が施工した。建物本体の鉄骨製作は三星工業(岐阜県)が、ソーラーパネル受け鉄骨は矢嶋(長野県)がそれぞれ担当。本体構造は、高性能の履歴型地震エネルギー吸収ブレースを外殻に配置し、広い内部空間を持つ、靭性の高い制振外殻架構を構成している。小レベルの地震からエネルギー吸収を開始することにより、各階の応答変位・加速度を低減し、高い地震レベルまで梁・柱・外装の損傷を防ぐ耐震設計を採用している。