2013年9月号 VOL.26 NO.304
・[鉄骨ものづくり特集]震災復興と鉄骨造建築
・[Photo Topics]三井不動産・鹿島 「長周期地震動」の揺れを半減
・[構造設計と施工](仮称)セコム工業本社工場新築移転計画
・[論文]形状の異なる固形エンドタブを用いた柱梁溶接接合部の引張破壊実験
・[鉄のデザイン+a]北山幼稚園
・[Topics]日本構造家倶楽部 「第8回日本構造デザイン賞」決定
・[Strutect]星野 修一さん
・特集:震災復興と鉄骨造建築
震災復興に貢献する鉄骨造建築にスポットを当てる企画。被災地では住宅建設が急務の課題だが、一方で住居・商業施設一体の復興計画や、漁業などの本格復旧・整備計画も具体化している。特集では、宮城、岩手、福島3県の新築建物の復興計画を一覧で紹介。2013暦年上期(1-6月)の鉄骨需要量を織り交ぜながら、2013暦年、2013年度の需要見通しをまとめ、年間500万㌧台を支える代表的な全国の大型物流施設建設計画を一覧で紹介する。
・「ファブへの提言」-田中、松井両氏が執筆
「鉄骨ものづくり」特集では、鉄骨構造の権威でファブリケーターをよく知る田中淳夫・宇都宮大学名誉教授、松井千秋・九州大学名誉教授が、「ファブリケーターへの提言-今、なにをなすべきか」をテーマに執筆。「鉄骨製作の原点(最適な鋼材の選択、組立溶接)を見つめ直す」、「良質な鉄骨生産による社会的信頼の確立」をテーマに、課題の本質に迫る。鉄骨加工とファブ最前線は神奈川県のMグレード、青柳製作所(横浜市)をルポ形式で紹介する。
・ものづくりの原点-Student Summer Seminar 2013
日本建築学会主催による「Student Summer Seminar 2013」。今年は「ストラクチュラル・アート-集積と変化」をテーマに7月13日、東京・港区芝の建築会館で行われたが、9月号の速報に続き、その内容をカラー10頁で特集。一日で制作し解体されるが、第1次審査・作品決定、制作準備から、レクチャー・制作グループ編成・ワークショップ・公開審査まで、学生によるものづくりの楽しさや、試行錯誤の末に作品を作り上げるまでを紹介し、SSS2013の役割と魅力に迫る。
●鉄骨ものづくり特集:震災復興と鉄骨造建築
・自治体主導の「街づくり」が急ピッチ
・鉄骨需要は年間500万t台が基調に
・ファブリケーターが常に考え、取り組むべきこと
―――田中 淳夫
・良質な鉄骨生産による社会的信頼の確立
―――松井 千秋
・鉄骨加工とファブ最前線 青柳製作所
―――(神奈川県・横浜市)
●Photo Topics
・三井不動産・鹿島 「長周期地震動」の揺れを半減
●構造設計と施工
・(仮称)セコム工業本社工場新築移転計画
―スピーディーな震災復興―震災から20カ月で竣工―
―――平岡 秀章/柴山 裕則
●論文
・形状の異なる固形エンドタブを用いた柱梁溶接接合部の引張破壊実験
―実験編―
―――中込 忠男/的場 耕/原 章/山田 丈富/村松 亮介
●鉄のデザイン+a
・北山幼稚園
―レンガと鉄骨が織りなすやわらかな造形―
―――北嶋 祥浩/佐賀 修/圓岡 雅彦
●Topics
・日本構造家倶楽部 「第8回日本構造デザイン賞」決定
・安藤ハザマ 「Trench-A工法」の適用範囲を拡大
・JFEシビル 「ひょうご西宮アイスアリーナ」が完成
・新日鉄住金 「鹿島製鉄所製銑地区センター」を改築
・戸田建設など4社 「オイルダンパー付き弾性すべり支承」
・Student Summer Seminar 2013 ストラクチュラル・アート 集積と変化
・東京構造設計事務所協会 「2013年度 第1回 技術交流会」開催
・JSSCが講習会 「高強度鋼の建築構造への適用」
●BIM
・鹿島 「Global BIM」を構築し、データ共有化
・構造システム・グループ BIMへの取り組みの考え方・ロードマップを公開/建築ピボット IFCインポートで部屋形状の内法・壁芯変換機能を追加
・ソフトウェアセンター 構造躯体変換ソフト「SSCシリーズ」最新版リリース
・ソフトウェアセンター 「SLM for Revit Structure」リリース
・テクラ 「テクラ スキルアップ セミナー 2013」
●Project
・「全国の建設プロジェクト」の見方
・全国の建設プロジェクト(早分かり&一覧表)
―ビル/商業施設/工場/学校ほか―
・全国の建設プロジェクト(パース編)
・全国の建設プロジェクト(月別分析:13年5月)
・東京・都心で新規プロジェクトが活発
●Aspiration
・SASST 「パネルディスカッション」開催へ
●Strutec Data
・2013年5月の都道府県別建築着工面積/2013年6月の建築着工面積
・2013暦年上期(1-6月)の着工面積と鉄骨需要量
●Regular
・体験的な「溶接と強さ」の話
―その53 長寿命化をもたらすは材料か加工技術か―さびない鉄と木材を腐らせないこと―
―――豊田 政男
・建設関連産業の未来のための技術評論
―第38回 スマートハウス・スマートシティ―
―――藤盛 紀明
・構造道場
―第12回 「Events of 9・11」の巻―
―――高橋 治
・リレーエッセイ 建築と私 203 「楽」
―――石川 英世
・随筆139 そ:測定の尺度
―――深見 準一
・Strutect 星野 修一さん
―星野建築構造設計事務所 代表取締役、ASDO(東京構造設計事務所協会)会長―
●表紙
MARK IS みなとみらい 木もれ陽ルーフ
「MARK IS みなとみらい」は、今年6月に横浜市みなとみらい21地区34街区に開業した、みなとみらい21地区で最大規模となる商業施設である。本体商業施設は地下4階、地上6階、延床面積約11.6万㎡の建物で、主架構は鉄骨造で、使用鋼材量は約7,300t。敷地はグランモール公園及び横浜美術館に面しており、この立地条件を活かすために自然環境を積極的に建築に取り込んだ施設計画とし、立体的都市公園を構築している。「木もれ陽ルーフ」は、この立体的都市公園の最上層に位置し、屋上庭園に木もれ陽のような光をもたらしている。木もれ陽ルーフは、計画のコンセプトを実現するために、ケヤキをモチーフにした樹木柱、鍛鋼ノード、三角形グリッド凸凹折板屋根を有する大空間構造とした。設計監理は三菱地所設計が担当し、本体商業施設の施工は大成建設が担当した。木もれ陽ルーフの鉄構エンジニアリングは新日鉄住金エンジニアリング、鉄骨製作は川重ファシリテックが担当した。「MARK IS みなとみらい」は2013年6月にグランドオープン以来、連日多くの人で賑わっている。