鋼構造ジャーナル記事詳細

2019年2月18日号 NO.1914

●ひっ迫感変わらず、入手難続く/HTB需給の現状と展望
●S造は21県で増加/12月の都道府県別着工統計
●依然として底堅い宿泊業/18暦年建築物着工統計
●ロボットスーツを試験着用/大和ハウス工業 奈良工場
●新社長登場/ポニー工業(大阪)・吉荒俊克氏
●「鉄骨技術フォーラム18」Q&A/②デッキ受けの考え方
●駅舎屋根290㌧をスライド/銀座線渋谷駅移設工事
●NDコア・ユーザールポ/前畑鉄工所(鳥取)
●近畿版
●四国版
●新社長登場/大岡鉄工(香川)・大岡承司氏

HTB需給の現状と展望

ひっ迫感変わらず、入手難続く

精度高い明細書の早期提出が肝要

 建築用の高力ボルト、中でもトルシア形高力ボルトの不足が続いている。高力ボルトメーカー各社はフル生産で供給に努めているが、旺盛な需要に追い付いていない。全国的に中小物件の建方工期に影響が出ており、とりわけMグレード以下のファブにとっては深刻な状況だ。必要なタイミングでボルトが入手できず、ファブが失注するケースや宙に浮いたまま引き受け手が見つからない物件も散見される。いまだメーカー側も需給緩和の見通しは立っていないとし、高力ボルトの〝枯渇〟問題が収束する糸口はみえていない。

カンバン Watching

「東芝メモリ北上新工場建設工事」(岩手)

鉄骨量は約5万5000㌧

建方が最盛期迎える

 雪が舞い散り、身を切るような寒さの中、岩手県北上市の北工業団地で、東芝メモリ北上新工場の建方が最盛期を迎えている。鉄骨使用量5万5000㌧ともいわれる東北最大級の大型工事だ。S造5階建て、延床面積約20万平方㍍。建設費は1000億円、設備を含めると1兆円規模の投資物件となる。施工は清水建設、設計・監理は東芝一級建築事務所。  カンバン掲示によると、鉄骨製作を手がけているのは次の18工場(掲示順)。
(写真=東芝メモリ北上新工場の建方が最盛期)
20190218-02

18暦年建築物着工統計

依然として底堅い宿泊業

大都市圏・観光地で建設続く

 18暦年の全建築物の着工床面積は既報(2月11日付)の通り、前年比2・6%減の1億3115万平方㍍となった。建築主別では公共が同11・1%減の625万平方㍍。民間が同2・2%減の1億2490万平方㍍。居住用は同3・7%減の7871万平方㍍。非居住用は同1・0%減の5243万平方㍍。民間非居住用が同0・6%増の4712万平方㍍となった。用途別では、製造業用が前年比16・0%増の1109万平方㍍、宿泊業用が同8・4%増の302万5000平方㍍となった。
 中でも公共建築主を含めた宿泊業用(全宿泊業)の18暦年の着工床面積は前年比8・5%増の303万9844平方㍍。その鉄骨需要は同10・4%増の20万2179㌧。全宿泊業床面積中のS造、SRC造の比率は68・4%。対前年比での増加率は鈍化傾向にあるが、依然、10%以上の増加を維持、堅調な展開といえる。
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銀座線渋谷駅移設工事

駅舎屋根290㌧をスライド

東京メトロが現場公開

 東京地下鉄(略称・東京メトロ)は7日深夜、東京・渋谷の銀座線渋谷駅で進めている駅舎移設工事において、スライド工法を用いて屋根を移設する工事を公開した。
 同駅は1938年の創業以来、改修工事を行っておらず、安全面やサービス面で課題を抱えていた。この状況を改善するため、渋谷駅街区基盤整備と連携して、2009年から移設工事に着手。駅舎を現在の位置から表参道方面に約130㍍移動させ、JR線と渋谷ヒカリエの間の明治通り上空に移設する。ホームは現在の相対式から島式に変更し、ホーム幅を1・7倍(現在の約7㍍から12㍍)へ拡幅する。
(写真=移動作業終了後の屋根部(上)、銀座線渋谷駅の断面イメージ(東京メトロ提供)(下))
20190218-04-01

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