2013年11月号 VOL.26 NO.306
・[特集]回転貫入工法・基礎工法
・[Photo Topics]建築鉄骨構造技術支援協会 「中小規模鉄骨造建築」焦点に
・[耐震設計と施工]中東遠総合医療センター(掛川市・袋井市新病院)
・[耐震設計と施工]GINZA KABUKIZA
・[Interaction&Collaboration]伊豆ベロドローム
・[構造設計と施工]ROKI Global Innovation Center
・[Strutect]長谷川 一美さん
・特集:回転貫入工法・基礎工法
建物の耐震性能を上げるために、ビルなどの建て替え工事が全国的に活発化している。建物の耐震性能上、基礎部は最も重要な個所で、本誌はこれまで「露出柱脚工法」を取り上げてきた。しかし、建築着工の活発化に伴い、工期を短縮する基礎に関する要望が読者から多く寄せられるようになった。今月号では第一弾として「回転貫入工法・基礎工法」にスポットを当てて特集した。JFEスチール、新日鉄住金エンジニアリング、旭化成建材、JFEシビルの4社が執筆。
・鉄骨造建築の魅力伝えるコーナー
鉄骨造免震を採用した「中東遠総合医療センター」と、「新歌舞伎座」第2回「メガトラスの製作と施工」のほか、トラス屋根が美しい「ROKI Global Innovation Center」、伊豆ベロドロームなど個性的なデザインビルを紹介。「新歌舞伎座」は、長スパントラスで劇場をまたぐ超高層建物で、構造上の要であるメガトラスにスポットを当て、鉄骨製作における板取り方法、溶接線の位置、溶接姿勢などについて報告する。ROKI Global Innovation Centerは丸屋根の鉄骨トラスが、伊豆ベロドロームは鉄骨造の美しさが際立っている。
・「GINZA KABUKIZA」にみる「ものづくり」と「施工技術」
今年4月に新開場し、現在も柿葺落興行が行われているGINZA KABUKIZA。劇場「歌舞伎座」の直上に、超高層オフィス「歌舞伎座タワー」を合築した近代でも稀な大規模複合施設で、今月号は、建物の構造上の要であるメガトラスに焦点をあてる。鉄骨製作に際して検討した板取り方法、溶接線の位置、溶接姿勢に関連した溶接施工性確認試験など、メガトラス自体の建方、メガトラス構築後の上部架構の建方に際して実施した変位制御についても報告する。
●特集:回転貫入工法・基礎工法
・つばさ杭
―――つばさ杭技術協会
・NSエコパイル
―――新日鉄住金エンジニアリング
・スクリューパイルEAZET工法
―――旭化成建材
・キャップ式いちいち基礎工法
―――JFEシビル
●Photo Topics
・建築鉄骨構造技術支援協会 「中小規模鉄骨造建築」焦点に
●耐震設計と施工
・中東遠総合医療センター(掛川市・袋井市新病院)
―鉄骨造免震を採用したLCB(Life Continuity Building)病院―
―――細川 慎也/藤田 芳治/鈴木 将司
・GINZA KABUKIZA
―長スパントラスで劇場をまたぐ超高層建物
第2回 メガトラスの製作と施工―
―――川村 浩/石橋 洋二/諸伏 勲/皿海 康行/犬伏 昭/安冨 彩子/布施 直彦/吉福 学/斎藤 光治
●Interaction&Collaboration
・伊豆ベロドローム
―日本初の250m板張りトラックを有するドーム型自転車競技場―
―――佐藤 起司/吉井 正行/粕本 修広/中島 肇/皿海 康行/小林 弘和/向山 洋一/張 宏
●構造設計と施工
・ROKI Global Innovation Center
―フラットプレートと大屋根について―
―――谷川 充丈
●Topics
・清水建設 津波避難ビル「フレーム・シェルター」
・東京国際空港国際線旅客ターミナルビル等増築工事
・久米設計・職員組合 PASTA BRIDGE COMPETITION
・A&A(エーアンドエー) 第2回 A&Aイノベーション・セミナー
・JFEスチール 国内最厚の建築構造用コラムを商品化
・JFEスチール 「新潟市アイスアリーナ」見学会実施
●BIM
・オートデスク 「Autodesk University Japan 2013」開催
・テクラ 「Tekla BIMsight 1.8.1」の提供開始
・ベントレー・システムズ Bentley設計・解析ソリューションセミナー2013
●Project
・「全国の建設プロジェクト」の見方
・全国の建設プロジェクト(早分かり&一覧表)
―ビル/商業施設/工場/学校ほか―
・全国の建設プロジェクト(パース編)
・全国の建設プロジェクト(月別分析:13年7月)
・日本土地建物など4社 「京橋二丁目西地区再開発」に着工
・東急不動産 「(仮称)銀座5丁目プロジェクト」に着工
●Aspiration
・建築学会・中国、鉄連 「鉄骨製作における諸問題」を議論
●Strutec Data
・2013年7月の都道府県別建築着工面積/2013年8月の建築着工面積
●Regular
・体験的な「溶接と強さ」の話
―その55 鉄から鋼へ、そして高性能鋼へー鉄を取りだした人々と繋ぎやすい鉄が用途を広げる―
―――豊田 政男
・建設関連産業の未来のための技術評論
―第40回 達成目標値論
―――藤盛 紀明
・構造道場
―第14回 「海坊主」の巻―
―――高橋 治
・リレーエッセイ 建築と私 205 「減衰効果を活かした設計」
―――世良 信次
・随筆141 ち:散る紅葉
―――深見 準一
―前橋工科大学 工学部総合デザイン工学科 教授―
●表紙
ROKI Global Innovation Center
静岡県浜松市にあるフィルトレーション技術を提供する会社、「株式会社 ROKI」のGlobal Innovation Center。敷地は眼下に天竜川を望む自然環境に恵まれた山の頂に位置する。ここで働く社員のための建築を第一に考えるとともに、フィルトレーション技術、光や風といった自然の力を最大限に活用した建築となっている。屋根は木と鉄のハイブリッドトラスを建築全体に架け渡している。屋根を支える柱はオフィス空間には存在しない。屋根は空間に無重力感を与えている。鉄骨の座屈を補剛する木材は1本1本の表面を職人が削り出すことで形にひねりと曲げを加えている。その木材と鉄骨を徹底した施工精度で連続させることにより格子は屋根の曲面形状に追従していく。まさに工芸品のような木格子を完成させた。建築主は株式会社ROKI、設計・監理は小堀哲夫建築設計事務所、構造・設備設計はArup、ランドスケープはオンサイト、施工は大成建設が担当。鉄骨使用量は800tで、鉄骨製作は巴コーポレーション、美建、平野建鉄工業、マブチ工業が担当した。工期は2011年10月~2013年9月。